たね

ツッコミが止まらない、愛すべきアニメ「美味しんぼ」の魅力

最近Amazonプライムビデオでアニメ「美味しんぼ」を見るのが日課になっている。

 

アニメ「美味しんぼ」は1988年からスタートした。その頃私はまだ生まれていない。

 

昔ながらの定食屋や喫茶店などに単行本が並んでいたので名前だけは知っていたが、食にちょっとこだわりを持つ男が全国のグルメを淡々と食べ歩くようなストーリーを想像していた。

 

プライムビデオのトップページに度々上がってくるので軽い気持ちで1話目を再生したのだが、ツッコミ要素満載の「美味しんぼ」に私はまんまとはまってしまっている。

 

あらすじ(プライムビデオ「美味しんぼ」のトップページより引用)

東西新聞文化部の記者である山岡士郎と栗田ゆう子は、同社創立100周年記念事業として「究極のメニュー」作りに取り組むことになった。しかし、ライバル紙の帝都新聞が、美食倶楽部を主宰する海原雄山の監修により「至高のメニュー」という企画を立ち上げた。ここに「究極」対「至高」の、海原雄山山岡士郎の間で繰り広げられる、料理を通じた親子対決が始まる!!

 

あらすじにある「至高のメニュー」が出る回、実はまだ見ていない…。

現在Amazonプライムビデオの30話目「ビールと枝豆」まで見た「美味しんぼ」初心者の私だが、「美味しんぼ」の魅力を書いてみたいと思う。 

※このブログ内では、Amazonプライムビデオ上の話数で話を進めていきます。

 

 

 ここがやばい!「美味しんぼ(語彙力のなさがすごい)

 

 

① 他人を巻き込む!迷惑な親子対決

主役である一見冴えないサラリーマン山岡士郎は、実は有名な美食家海原雄山の息子。

美食への過剰なこだわりを持つ父のせいで家庭を崩壊された過去を持つ。

美食にこだわることに対する嫌悪感を抱きながらも、雄山の元で育てられたため食にこだわらずにいられない体になってしまった自分にジレンマを感じている。

 

究極のメニュー作りの取材で度々鉢合わせる父との間に勃発するバトルが美味しんぼの魅力の一つである。

 

6話目「幻の魚」では、雄山が山岡の姿を見つけた瞬間に「食べ物の味もわからぬ山猿を私と同席させるのか!」と激怒し周囲をざわつかせる。

なんとかその場はおさめられるものの、やはり途中で再びバトル勃発。

刺身は鯖が一番といった山岡を「この愚か者めが!」とあざ笑う雄山のニヤついたドヤ顔と盛大な笑い声が実に笑えるのだ。

ムキになる山岡も山岡だが、雄山の傍若無人な言動・実の息子に対する子供っぽい嫌がらせに、「お前が一番愚か者だよ…。」とついついつっこんでしまう。

 

 

② 寿司をCTスキャンに!?食に対する狂ったこだわり 

究極のメニュー作りのため様々な美食家や料理人のもとを訪れる山岡と栗田。

出された料理を口にするも、その料理のまずさを指摘し「本物の料理を教えてやる!」と喧嘩を売る山岡。

 

同席者を後日わざわざ集めて山岡が本物の料理を紹介し、最初に出た料理がいかにまずいか、なぜまずいかを丁寧に解説。

全員の前で恥をかかせるなかなかの畜生。

雄山を憎んでいる山岡だが、まさしく「此の親にしてこの子あり」といった感じだ。

 

しかし、山岡に恥をかかされた者は素直に反省することがほとんど。

美味しんぼ」の世界は優しい世界なのである。

 

このパターンで特に私が好きなのは、9話目の「寿司の心」 

銀座で一番と言われる寿司職人と山岡の紹介する最高の寿司職人、

それぞれに寿司を握らせてその美味しさを比べた後、米の断面を比較するために大学病院までわざわざ赴き寿司をCTスキャンにかける回だ。

4方向からの寿司ショットを見て米粒の様子を科学的に解説する。(ここでなぜか山岡ではなく大学病院の勤務医が説明する。お前は何者だ。)

完全に頭がおかしい。(もちろん褒めている。)

 

 

③ 現実にいたらやばい…でもなんだか憎めない登場人物たち

美味しんぼ 登場人物」で検索すると、検索候補に「クズ」が上がってくる。

それほど「美味しんぼ」のキャラクターは総じておかしいらしい。

雄山・山岡親子の食に関する言動が目立つが、ヒロイン栗田も新入社員の割になかなか自由な言動が多い。(しかしなぜか皆スルーの優しい世界)

 

中でもクズで有名・かつ私がいちばん気に入っているのは、

広いおでことメガネに、大きい前歯が特徴的な「富井副部長」

この人こそ、ダメなのになんだか憎めない「美味しんぼ」キャラの代表だと思っている。

 

山岡に小言を言うシーンが多いが、お調子者で失敗ばかり。

何を食べても「美味しい」しか感想が出てこない富井副部長。

回を追うごとにキーキーうるさくなっていく声を嫌う人も多いようだ。

 

失敗した時の落ち込み方は若干うっとおしいのだが、そのしょんぼりした顔が意外と可愛い。

22話目「旅先の知恵」では、ひどい嫌がらせをしてきたライバル新聞社に対して、冗談を言いながら許してやる心の広い一面も見せている。

 

美味しんぼ」のキャラクターには、それぞれに突っ込みどころ満載の人間性やおかしな行動がある。

しかし彼らにはそのお互いのダメな部分や失敗を許し合う心の広さがあるのだ。

私はそこに、なんだか憎めない可愛らしさを感じてしまっている。

 

 

番外編:バブルを感じるシーンの数々

バブル時期に放映されていた「美味しんぼ」ならではのシーンも楽しみの一つ。

 

経費が異常

山岡たちは、高級店に何度も足を運んでいる上、(勝手に売った喧嘩のために)最高の食材を求めて県外へ大移動したり、幻の魚を釣るために船を毎日出させたり、「究極のメニューづくり」のために異常な経費を使っている。

しかも肝心のメニューづくりは一向に進まない。(さらに会社では居眠り・競馬とやりたい放題の山岡)

バブル時期としても異常だろうが今の時代では考えられないストーリーだと思う。

 

当時の町の様子

最高の料理を求めて様々な町を訪れるシーンで、銀座や渋谷、上野など、当時の町の様子が描かれている。

この30年の開発でかなり変わってしまった町の姿、今はもう無くなってしまったビル、逆に、今も変わらず残っている店。

それぞれを比べて時代の流れを楽しむのも面白い。

 

もはやエモい、リアクション芸の数々

この時代のアニメならではのリアクション。

驚いた時の反応や、がっかりした時の反応など、時代を感じるリアクションがいちいち面白い。CMを挟む際のアニメーションの表情もなかなかである。(いつになったら変わるのかこのシーン)

 

 

まとめ

普通のグルメアニメと思っていた「美味しんぼ

実はツッコミ満載のバトルアニメ(ちょっと違う)だったとは!

勝手に魅力を伝えたいと思い立ち書いて見たが、やっぱり見てもらうのが一番。

少しでも気なった方がいたら、ひとまず1話目を見て欲しい…!! 

私も今30話までしか見ていないので、まだまだこれからも楽しみだ。